麻酔科医師と協働する、周麻酔期看護師をご存じでしょうか。まだ日本では認知度が低く、全国的にみても人数が少ないとされる職種です。周麻酔期看護師は、麻酔管理におけるスペシャリストとして高度な知識と技術を持っています。麻酔科の医師不足の中、周麻酔期看護師の需要は現状として高まっています。
周麻酔期看護師は麻酔の前や後に患者へのケアを行うことが主な役割となります。それ以外にも、麻酔科医の指示のもと、気管チューブの挿入・抜去、薬剤の投与といった一部の医療行為もできます。患者さんの状態により、医師に対して投与する薬剤や量を提案することもあります。そんな周麻酔期看護師は、専門的な麻酔に関する知識があるため、麻酔科医のマルチタスクをシェアできる存在ともいえます。それにより、医師は医師にしかできない業務に集中・専念できるようになるのです。
また、手術前の患者さんに対し、診療の補助や麻酔の説明を行うのも周麻酔期看護師の役目です。その後、麻酔科医が追加診察を行い、周麻酔期看護師は、患者さんやその家族が抱える不安に寄り添い、疑問に答えます。患者さん側の話をしっかりと聞くことは、不安の軽減にもつながるため、丁寧に対応する必要があります。
麻酔科の医師は、不足状態にありながらも、病棟からの問い合わせ対応や電子カルテの入力といった業務に追われています。そんな中、麻酔科の仕事を巻き取れる周麻酔期看護師が配置されれば、業務率化につながるのは言うまでもありません。医師不足問題は深刻であり、医師が自身の業務に集中できる環境をつくることは急務ともいえます。医療現場の労働環境の改善に貢献したいのなら、周麻酔期看護師を一つの選択肢として検討してみてはいかがでしょう。